7月 8月 水指

割蓋水指

2021/8/1  

夏のお点前では、水指が大きくなっていきます。蓋が開いた時の水は、涼しさを呼びます。そして、柄杓を入れたときには自分が水指に浸かったかのような心地よさ。 素麺鉢やすり鉢を見立てて使います。既製の蓋があり ...

通年 水指

手桶水指

2021/9/27  

利休が注文して作らせた水指に「手桶水指」があります。利休の注文書が残されていて「三ッ足のそれぞれの幅は畳の目二つを越えないようにして、全体の形を吟味するように」とあります。これにより、手桶水指が「利休 ...

通年 茶室

押板から床の間へ

2021/7/19  

床の間の始まりは「押板」からです。茶室として使われる前、和室で連歌などを楽しんでいた時に、畳より少し高くなった板敷の「押板」に三具足を荘っていました。   その和室で、茶の湯を楽しむようになり、押板と ...

風炉の季節

風炉の七歪

2021/7/11  

「風炉の七歪」という言葉があります。流派によって七つは色々のようですが、風炉の置き方などを少し歪ませたり、捻ったりする置き方のことです。 これは、風炉点前は真っ直ぐ前を向いて点てる点前ですので、置き合 ...

通年 茶碗

遠州七窯

2023/1/25  

江戸初期の茶人、小堀遠州が指導した七つの窯元です。綺麗さびを目指した茶人なので、無地ですっきりとした釉薬のものが多いです。 奈良の「赤膚焼」            土に鉄分が含まれているため、高台の部 ...

通年 茶室

違い棚をつなぐ柱=海老束

2022/3/28  

床の間にある違い棚。上段には筆返しがついていて筆や冠、香炉を置きます。下段には書物や巻物、硯箱を置きます。 この違い棚をつなぐ柱の名称のことを「海老束(えびつか)」や「雛束(ひなつか)」と言います。 ...

通年 懐石

三宝-丸前角向こう

2021/9/27  

茶道の置き合わせでよく使われる言葉に「丸前角向こう」があります。床の間に飾る三宝や曲の水指、菓子器の縁高などの時に気をつけなくてはいけません。 「丸前角向こう」は陰陽五行に関係しています。物の形にも陰 ...

通年

十牛図

2021/5/5  

「十牛図」についてまとめておこうと思います。 「十牛図」とは、自分の心を探しに行く旅のことです。「私の心」というものを形ある見えるものとするため、牛にたとえます。そしてこの牛が自分の心から離れ、逃げて ...

5月 茶花

武蔵鐙

2022/7/10  

この季節ならではの茶花。「武蔵鐙(むさしあぶみ)」 鐙(あぶみ)とは、馬具の一つで鞍の両側に垂らし、乗る人が足をかけるもののことです。花の上の部分が、足をのせられるような形になっていることから、この名 ...

3月 4月 茶花

クリスマスローズ

2022/4/6  

冬が終わるころ、可憐な花を咲かせるクリスマスローズ。 茶花として使われない気がしますが、和名で使うととても素敵な茶花になります。 「初雪起こし」 なんとも可憐な和名。 春早い季節にぴったりです。 「寒 ...

4月 掛軸

柳緑花紅

2022/3/26  

「柳緑花紅」「柳は緑、花は紅」蘇軾(そしょく)の詩からの引用です。柳は緑色に葉を伸ばし、花は紅色に咲く。自然そのままであり、それぞれのものが春になると毎年、芽吹き花開くという意味です。自然界の中に自分 ...

4月 11月

佐保姫と竜田姫

2022/3/30  

「佐保姫」とは、春をつかさどる女神の呼び名です。「佐保」とは、奈良県の「佐保山」のことです。「佐保山」は、平城京の東側にあります。方角の「東」は、陰陽道の四季で表すと「春」に当たります。そのため、「佐 ...

4月 茶花

鯛釣り草

2021/4/2  

「鯛釣り草」を生けました。その名の通り、釣竿に鯛が釣られている様子に見えるところからついた名前です。きれいなピンク色のところも、まさに鯛。別名「華鬘草(けまんそう)」です。花のハート型が仏具の「華鬘」 ...

3月 4月 茶花

醍醐の桜

2021/9/28  

桜満開の季節。 桜にまつわる絵柄があります。 「桜と幕」の絵柄の茶碗。この茶碗の絵柄は「醍醐の桜」です。 「醍醐の桜」とは、豊臣秀吉が晩年に旧暦3月に開いた京都伏見の醍醐寺三宝院裏手の山麓で開いた花見 ...

2月 3月 茶花 和菓子 懐石

利休忌

2023/3/14  

2月28日は利休忌。旧暦3月28日までに各流派で利休忌が行われます。 我が流派では、利休様に供茶を差し上げてから、同じ茶で拝服します。その後、五事一行という七事式を行い、埋み豆腐を頂いて終了となります ...

3月 9月 和菓子

ぼた餅とおはぎ

2021/9/19  

春彼岸とは、3月の春分の日をはさんで前後3日合計7日間のことです。秋彼岸とは、9月の秋分の日をはさんで前後3日合計7日間のことです。彼岸というのは仏教用語で、現世を「此岸(しがん)」と呼び、それに対し ...

3月

釣釜

2022/3/2  

三月は釣釜の季節です。 いつでも使ってよい釣釜ですが三月に好まれる理由があります。 二月までは大きな釜を使います。これは、寒い季節なので釜の蓋を開けたときに湯気がたくさんあがり暖かく感じるためです。そ ...

3月

お水取り

2023/3/7  

東大寺二月堂修二会(しゅにえ)のことを、「お水取り」と言います。これは、11人の僧侶が一般の人に代わって苦行を引き受け、安泰を祈る行事です。 旧暦2月1日から14日まで行われていた行事を現在では3月1 ...

3月

右大臣と左大臣

2023/5/26  

弓矢を持つ二人。お内裏様とお雛様の護衛をしている随身は、左大臣と右大臣です。 左大臣はお年寄り。 右大臣は若者。 左上位の時代ですから、左大臣の方が上の位です。 服装の色でも位がわかります。 緋袍は五 ...

3月

お雛様とお雛様の三人組(三人官女)

2022/3/9  

お雛様は、赤い着物を着ていることが多いですね。これは、女の子の身代わりをしてくれるお人形ですから魔除けの意味があります。 そして、お雛様の持ち物といえば扇です。これは、笑ったときの口元を隠すために持っ ...

3月

お雛様の三人組(仕丁)

2021/2/26  

仕丁は、台傘(だいがさ)・沓台(くつだい)・立傘(たてがさ)の3人一組のお人形。 お雛様の下の段にいるこの3人。 傘と靴を持つ役の人です。 この方たちの顔は、泣いている顔と怒っている顔と笑っている顔。 ...

3月

笏と冠

2022/3/3  

お内裏様について書いてみようと思います。お内裏様が持っている笏。この笏は、昔どんなふうに使われていたかご存知ですか。座禅の時にお坊さんが持っている警策とは違います。 昔の笏には、紙を張り付けたものが残 ...

3月 茶花

桃の節句

2021/2/23  

雛祭りは五節句の一つ。三月三日、上巳の節句にあたります。 ひな祭りは、上巳の日にひと形(形代)を持って身体を撫でさすり、息を吹きかけ、形代に穢れをうつしてその形代を水に流す流し雛というのが始まりです。 ...

3月 和菓子

ひなあられと菱餅

2022/2/28  

三月三日のお雛様の和菓子といったら「ひなあられ」これは、雛祭りが室内ではなく、流し雛だった頃のおやつでした。女の子の穢れを形代につけて川に流した流し雛。川に行く時のおやつが「ひなあられ」でした。「ひな ...

通年 炉の季節 茶室

向切

2023/2/12  

こちらの写真は「如庵」の写し。織田信長の弟、織田有楽斎が建てた茶室です。二畳半「向切」の小間です。「向切」の部屋は、風炉点前のように畳にまっすぐ座してお点前します。炉の位置は、風炉とは逆で点前座の右に ...

通年 炉の季節 茶室

台目

2023/2/12  

台目畳というものがあります。一畳の畳の四分の一を切り取った大きい目の畳のことを台目畳と言います。大きい目で台目。最初は大工用語であったものを茶道で使うようになったようです。台目畳は一畳より、少し小さく ...

炉の季節 2月 茶室

四畳半流し(炉)

2022/2/18  

2月に入りますと、小間のお稽古をすることが多いかと思います。先ずは、四畳半流し点て。「流し点て」と呼ばれるのは、持ち出しの時に三光に置かずに斜めに持ち出して流すことから「流し点て」と言われます。四畳半 ...

2月 茶入・棗・茶器 懐石

初午

2023/11/23  

「初午」とは、二月の初めの午の日の稲荷神社の祭日のことです。稲荷神社のご神体は宇迦御魂命(うがのみたまのみこと)、五穀を司る神です。神様の使者は狐です。 この頃、田の神が山から降りてくると考えられてい ...

炉の季節

及台子

2022/1/17  

こちらの台子は「及台子」です。 我が家の及台子は、天板が一枚板ですが、天板に筆返しとか落込みと呼ばれる縁取りがあるものもあります。これは、天板の上に置いた鉛筆などが転がらないようにと実用的な部分が残っ ...

2月

鶯宿梅

2022/8/12  

梅にまつわる逸話をもう一つ。 『大鏡』より「鶯宿梅(おうしゅくばい)」です。村上天皇の頃、清涼殿の梅の木が枯れてしまい、帝はたいそうお嘆きになりました。そこで、紀貫之の娘の家の庭によい梅の木があるとい ...

2月

東風吹かば・・・

2022/8/12  

梅にはたくさんの文様がありますが、梅にまつわる逸話もたくさんあります。 その中で、茶道でよく使われるのが「東風(こち)」です。 「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」菅原道真が詠 ...

2月 和菓子

桃太郎のお供

2021/1/22  

鬼退治といったら、桃太郎の話。桃から生まれたから桃太郎。なぜ、桃から生まれたのか?を調べてみると面白いです。 「桃」という漢字は「木」と「兆」という文字に分かれます。「兆」には「兆し」という意味があり ...

2月

鬼のパンツはなぜトラ柄なのか

2021/1/20  

日本の鬼と言ったら、2本の角にトラ柄のパンツです。 「鬼のパンツ」 鬼のパンツは いいパンツ つよいぞ つよいぞ トラの毛皮で できている つよいぞ つよいぞ 5年はいても やぶれない つよいぞ つよ ...

1月 和菓子

寒餅

2023/2/24  

寒稽古の後の「ぜんざい」。 武道を習っていた時には、必ず用意していましたが、なぜ「ぜんざい」を頂くのか。 「ぜんざい」は寒餅と小豆から作ります。 「寒餅」は、小寒から大寒の間についたお餅のことで、この ...

1月 懐石

七草がゆ

2024/1/6  

「七草」は五節句の一つであります。一月一日ではなく、一月七日「人日」が節句の一つになります。一月一日は鶏の日。二日は狗の日。三日は羊の日。四日は猪の日。六日は馬の日。七日は人の日とされています。それぞ ...

1月 茶碗

嶋台の由来

2023/1/21  

「嶋台」とは、金銀の重なった赤楽茶碗のことです。金銀二段になっていて盃の形、蓬莱山を表しています。本歌は長入作になります。 高台は金の茶碗は五角形で鶴を表し、銀の茶碗は六角形で亀を表しています。おめで ...

1月 和菓子

花びら餅

2020/12/19  

年明けの茶席の和菓子といったら「花びら餅」 裏千家の初釜で主に使われますね。 表千家は「常磐饅頭」 「花びら餅」を頂くのは、宮中の鏡餅に由来しています。  その昔、宮中の鏡餅というのは、2つの鏡餅の上 ...

12月 茶碗 和菓子

木守

2024/4/20  

「木守」とは、柿の木に一つだけ柿を残しておく風情を言います。 来年もたくさん柿が実るようにという願いを込めて、残しておきます。 「木守」という名の黒楽茶碗もあります。 長次郎の7種の茶碗の一つです。 ...

12月 和菓子

いとこ煮

2024/4/20  

「いとこ煮」をご存知ですか。 「かぼちゃ」と「小豆」を一緒に炊いた煮物のことです。冬至の日に頂きます。「冬至」とは、一年で一番太陽が出ている時が短く、夜が長い一日です。日が短いので、風邪などをひきやす ...

10月 11月 茶入・棗・茶器

紅葉狩

2021/10/29  

能の演目に「紅葉狩」があります。 平維茂(これもち)の鬼退治の話です。 維茂が戸隠山で鹿狩りをしている途中、高貴な女に誘われ、酒を勧められ酔いつぶれてしまいます。 高貴な女は、戸隠山の鬼神であり、眠っ ...

4月 11月 着物

七五三

2020/11/15  

11月15日は「七五三」ですね。子供の成長を祝うものですが、始まりは江戸時代、徳川三代将軍家光の四男、徳松(後の将軍、綱吉)が病気がちであったため、徳松が無事に5才になったことをお祝いしたのが始まりと ...

通年 10月 蓋置 懐石

吐月峯

2020/11/25  

静岡県の北部にある「吐月峯柴屋寺(とげっぽうさいおくじ)」は、「駿府匠宿」の奥にあり、ひっそりと佇んでいます。 「吐月峯(とげっぽう)」といったら「はいふき」のことを言うという時代がありました。それは ...

11月

十日夜

2021/11/4  

「十日夜(とおかんや)」をご存知ですか。「十日夜」というのは「三の月」十五夜、十三夜の後の月です。旧暦10月10日にあたります。 「十日夜」とは、稲の刈り上げ祝いであり、収穫祝いでありますが、一番は稲 ...

10月 11月 着物

孫生え

2021/10/20  

稲穂の収穫が終わり、収穫祭や豊穣の取り合わせでお稽古する季節です。その中の取り合わせで、是非この言葉も知っておいて欲しいです。 「ひこばえ」 本来は、木の切り株から新芽が出る様子を表した春の季語ですが ...

11月 茶碗

備前焼について

2021/11/17  

備前焼の良さは、なかなか若いうちには気づきませんが茶道を続けているとふといいかも、と思う時がきます。田んぼの土(ひよせ)で作っているので、粒子が細かくてねっとりとした肌触りです。備前には、いくつかの特 ...

2月 3月 5月 水指

菱馬水指

2023/1/15  

染付の菱形の水指。 これは、日本人が中国に依頼して作ってもらったのが始まりと言われる水指です。大きな団扇型の中に表には2頭の馬、裏には1頭の馬が描かれていることが多いです。蓋は共蓋でできており、山水図 ...

10月 茶花

2020/10/29  

葉っぱは藍染に使いますが、花が咲くと何とも可憐なピンクと白色の花が咲きます。蓼科の植物の藍です。 花が咲いてしまうと、藍染に使うことができなくなります。色が薄くなってしまうので、花が咲く前に葉を収穫し ...

11月 和菓子

亥の子餅

2020/10/24  

炉開きにいただく和菓子に「亥の子餅」というものがあります。 茶色で胡麻や、けしの実などの穀物が生地に練り込んである大福でその姿が猪の子供に似ていることから、この名前があります。 「亥の子餅」は、陰暦の ...

10月

不白忌

2022/8/13  

川上不白は、江戸千家、表千家不白流の流祖であります。 和歌山県新宮に生まれ、表千家7代如心斎から茶道を学びました。22才で「宗雪」の茶名をもらい、31才で真台子を伝授され、その如心斎から頼まれて江戸に ...

9月

因幡の白兎

2021/9/13  

「因幡の白兎」とは出雲の国のお話「古事記」の伝説です。 出雲の国に大国主命(大黒様)という神様がいました。大国主命にはたくさんの兄弟がいて、意地悪な兄達の中で、大国主命は心優しい神様でした。ある日、因 ...

9月

竹生島

2022/8/23  

「竹生島」とは能(謡曲)の演目の一つ。「竹生島」は「江の島」「厳島」と並ぶ日本三大弁財天です。そして「竹生島」の能は弁財天の神徳、龍神の威徳を称え、国土安泰、衆生済度を祈念する狂言能です。「竹生島」は ...

9月 10月

中秋の名月

2021/9/23  

はむぱんさんによる写真ACからの写真 「中秋の名月」とは、秋を三つに分けたちょうど真ん中の満月の日を「中秋の名月」と呼びます。昔は旧暦の8月15日だったことから「十五夜」とも呼ばれます。 「中秋の名月 ...

9月 10月

月の兎

2021/9/23  

なぜ、月の中に兎がいるのでしょうか。 小さい頃には考えなかったことを、調べてみました。答えは、仏教説話にありました。 昔、帝釈天が獣たちの善意を試そうと食べ物を乞うた時、猿は木の実を、狐は魚取ってきて ...

9月 茶入・棗・茶器

天然忌

2020/9/18  

8月13日(旧暦9月13日)が「天然忌」となります。「天然忌」とは、表千家7代如心斎の命日となります表千家では初釜、利休忌についで大きな行事です。教室でも「天然忌」にあたってのお道具が出されていました ...

9月 茶花

洋種山牛蒡

2020/10/28  

庭にいつの間にか生えてきて大きくなった「山牛蒡」。子供の頃、紫色の実をとっておままごとで遊んでいたときから、「山葡萄」と思っていました。「山葡萄」ではなく「山牛蒡」。根っこが牛蒡のようになっているから ...

通年 茶碗

萩焼の高台

2020/8/29  

 茶碗は底を見る、と言われます。陶芸家の方が最後に造るのが高台であり、造り終えて印を入れます。萩焼は特に高台の形が色々であると思います。 一、輪高台  高台の内部を削り取ったものと、貼り付けたものがあ ...

8月 着物

有松絞り

2020/8/22  

 有松絞りの浴衣を作ってもらってきました。まずは、名古屋から電車で20分名鉄「有松」駅で降りて、徒歩5分「有松・鳴海絞会館」で絞り文化と展示を堪能しました。2階では絞りの実演が行われていて、作業中のお ...

9月 和菓子

重陽の節句

2023/4/6  

日本には五節句があります。 一月七日 七草 三月三日 上巳の節句 五月五日 端午の節句 七月七日 七夕 九月九日 重陽の節句 中国から伝わったものが始まりで、節句の行事として日本でも取り入れられてきま ...

風炉の季節 8月

氷点てのすすめ

2023/8/14  

暑い夏。何も手につかない日々ですが、そんな時こそゆっくりと一服頂きたいものです。暑いときに温かい抹茶も美味しいですが、キンキンに冷やした氷水で点てる抹茶もまた良いものです。難しく考えず、手付きのポット ...

8月

盆点前の始まり

2023/8/14  

茶道の点前の中に「盆点前」というものがあります。私達の流儀では「盆点前」は3種類あります。「基本盆点前」「略盆」「茶箱」になります。すべてお盆の上に茶道具をのせて運び出す点前のことを「盆点前」と言いま ...

風炉の季節 7月 水指

蝶番水指

2021/9/27  

夏のお点前。大きな水指には様々な蓋が組み合わされています。今回の水指は蝶番がついた蓋の取り方になります。水指の蓋を指で押さえて開けるのですが、強く押さえると蓋が水指の中にドボンと落ちてしまいます。指の ...

7月 水指

盆蓋点前

2020/8/9  

 風炉の点前は、水指が大きくなっていきます。それに合わせて水指の蓋も大きくなってきて様々な形のものが使われます。こちらは「盆蓋」です。水指に合わせて作られた蓋がないときに、お盆を伏せて水指の蓋代わりに ...

風炉の季節 8月 水指

風炉の流し点て

2020/8/3  

 夏のお点前には、様々な演出が施されていることがあります。「絞り茶巾・洗い茶巾・千鳥茶巾」などの変わり茶巾。棚をやめて水指がどんどん大きくなっていき、それに合わせて水指の蓋の形が変わります。「盆蓋・蝶 ...

通年 水指

茶筅荘り

2020/8/3  

「茶筅荘り」という点前があります。濃茶点前ですと「小習」の中の一つとなりますが、薄茶点前でも「茶筅荘り」はあります。どんな時に茶筅荘りをするかというと、水指が名物、由緒あるもの、あるいは到来品などの時 ...

風炉の季節 7月 水指

ふくさで金魚や蝉

2020/8/4  

 夏になると楽しみなひと時。ふくさで金魚や蝉を作って飾ります。盆蓋などの大きな水指の時に飾り、涼しさを演出します。お薄点前のお遊びではありますが、ワクワクする時間です。  金魚を飾るのは、蓋上に柄杓と ...

7月 茶花

風知草(ふうちそう)

2020/7/19  

(露草・松虫草・風知草)  さわさわと風に吹かれる感じが涼しさを伝える風知草(ふうちそう)。生けると縞葦と間違えそうですが、風知草は黄色と緑の縞模様の葉です。縞葦は白と緑色の縞模様の葉です。  風知草 ...

通年 茶碗

井戸茶碗の見どころ

2020/7/21  

井戸茶碗とは、韓国李朝時代に製作された高麗茶碗のことです。井戸茶碗と呼ばれるものには、いくつかの見どころがあります。この茶碗は、私の祖母が韓国のお土産に買ってきてくれた茶碗です。 一、形 大ぶりで大き ...

5月 7月 水指

釣瓶(つるべ)の水指

2023/5/12  

蒸し暑いこの季節。「釣瓶(つるべ)」の水指を濡らして使うと涼しさが伝わる一服となります。「つるべ」とは、井戸水をくむために、縄の先につけておろす桶のことです。武野紹鴎が井戸の水を汲み上げそのまま水屋に ...

7月 8月

盆の風物詩

2021/7/9  

お盆とは「精霊祭」のことを表します。7月13日に先祖の霊をお迎えして、7月16日にお送りする行事です。全国各地、様々な行事があるとは思いますが一部をご紹介します。 7月13日に先祖の霊をお迎えするため ...

風炉の季節 茶巾

絞り茶巾・洗い茶巾・千鳥茶巾

2020/7/6  

夏の平茶碗の季節です。平茶碗では、変わり茶巾の仕組み方は3種類あります。茶巾を使って涼しさを演出します。 「絞り茶巾」 水屋で茶巾を絞ってきますが、あと1滴残したくらいで茶碗に仕組みます。夏の絞り茶巾 ...

7月

七夕と素麺

2022/8/12  

七夕は五節句の一つです。牽牛(けんぎゅう)と織女(しゅくじょ)二つの星が年に一度、7月7日の夜に天の川の間で出会うという伝説による星祭りの節句です。 七夕の供え物は、詩歌を書いた短冊や色紙・五色の糸で ...

通年 茶碗

楽茶碗の見どころ

2022/8/14  

 楽茶碗で濃茶を練ると美味しく練れます。これは、楽茶碗の軟らかさから茶筅の当たりがよくて、お湯を吸収する力が強く、そして温かさを逃がさないためです。楽茶碗は、抹茶を点てるために造られている茶碗ですので ...

通年 茶入・棗・茶器

包み帛紗

2020/6/27  

棗を茶入で使いたい時、包み帛紗にして扱います。棗は真塗で蒔絵のないものを使います。また、四滴茶入の「水滴」だけは注ぎ口と取っ手の両方ついていて完品なので、包み帛紗にすることができます。私達の流儀では、 ...

風炉の季節 6月 茶花

蛇籠と加茂川籠

2023/5/31  

「蛇籠」と「加茂川籠」です。どちらも籠目に編む竹細工の編み方は同じですが、少しだけ太さと長さが違います。長さが長くて少し細い方が「蛇籠」で、長さが短くて少し太い方が「加茂川籠」です。どちらも同じ用途の ...

風炉の季節

桑小卓(くわこじょく)の始まりと飾り方

2021/5/1  

丸卓と合わせて基本の棚です。桑で作られていて、天板、中棚、地板があり、四本柱の二重棚です。女桑と男桑があり、女桑の方が桑の木の色が濃い色と聞いています。裏千家初代仙叟宗室が、矢を立てておく矢台から考え ...

風炉の季節

風炉の濃茶はなぜ一杓水を差すのか

2020/8/17  

風炉の点前の濃茶の所作です。濃茶を茶碗に適量入れ、水指の蓋を開けて水を一杓釜に入れてから茶碗に湯を注ぎます。釜の湯の温度を下げるためにする所作でありますが、なぜそのようなことをするのか? これは、昔の ...

7月 水指

葉蓋点前

2023/7/5  

7月に入ると葉蓋の点前です。水指の蓋の代わりに「梶」や「里芋」「蕗」の葉をのせて運び出しする点前です。裏千家11代玄々斎が七夕の趣向で末広籠(唐人笠籠)の受筒を使い、梶の葉をのせて運び出しをした点前で ...

6月 蓋置

利休七種蓋置ー蟹と栄螺

2022/6/11  

利休七種という蓋置があります。「火舎香炉(ほやこうろ)」「五徳(ごとく)」「三葉」「一閑人」「蟹」「栄螺」「三閑人」です。 「蟹」の蓋置の始まりは、中国の文房四宝で伝わりました。墨台だったと考えられて ...

6月 茶花

金糸梅(キンシバイ)と未央柳(ビヨウヤナギ)

2020/6/6  

 道路脇でよく咲いている「金糸梅」です。黄色が鮮やかなので目に留まることが多い花です。名前の由来は花びらが5弁のため、梅に似ているので「金糸梅」という名前がついています。茶花として生けるとまっすぐな茎 ...

6月

夏越の祓い(なごしのはらい)

2022/8/12  

「夏越の祓い」とは、一年を二期に分けて、六月の晦日と十二月の大晦日に半年ごとの穢れを祓い、来る半年の無病息災を願うものです。儀式としては、人形(ひとかた)に自分の名前を書き、身体をなで息を吹きかけます ...

風炉の季節 6月

丸卓の始まりと飾り方

2022/5/30  

6月のお稽古です。軸には「清流無間断」清らかに流れる水は、途切れることがないという意味です。 棚は基本の「丸卓」です。「丸卓」は川から流れてきた壊れた酒樽を見て、棚にしようと思いついたと言われています ...

5月 茶花 和菓子

麦の実る季節ー麦秋

2021/1/3  

momo105さんによる写真ACからの写真 麦の熟れる季節です。稲とは反対の季節5月に麦は実ります。5月ですが麦が実ることから「麦秋(ばくしゅう)」という言葉で表します。 こちらは、12月の麦。 寒い ...

通年

利休三十五条嫌忌

2021/6/12  

千利休が嫌った三十五の事柄をまとめた「利休三十五条嫌忌」というものがあります。現代の茶道にも社会にもつながることがたくさんあります。 一、油杓 柄杓から湯や水を茶碗に入れる時に、柄杓の高さを上下にかえ ...

通年 掛軸

大津絵ー美人画と風刺画

2020/8/17  

大津絵の美人画といったら「藤娘」です。塗笠を被り、あごの下で朱色の紐を結んでいます。着物の片袖を脱ぎ裾を翻し、藤の枝を肩にかけてポーズをとる美しい一枚です。今では「藤娘」は藤の花を担いでいますが、始ま ...

通年 茶碗

真田紐の結び方

2023/2/4  

「真田紐」とは茶道具の桐箱についている平織りの紐のことをいいます。縦糸と横糸を使って機で織る世界最小の織物と言われています。通常の倍以上の本数の縦糸と横糸を圧縮して織るため、伸びにくく丈夫です。 「真 ...

通年 茶杓

茶杓筒の真行草

2020/8/17  

    茶杓は唯一茶人が自作できる茶道具です。千利休時代から茶杓筒が作られるようになりました。竹の細い方で茶杓を作り、竹の太い方で茶杓筒を作ります。同じ竹で作った茶杓筒のことを「共筒(ともづつ)」と言 ...

6月 茶花

ノコギリソウーyarrow

2020/6/11  

この季節に我が家で群生する「ノコギリソウ」です。葉っぱがギザギザでのこぎりの刃のように見えることからこの名前があります。我が家のノコギリソウは赤色の花が付きますが、白色の花もあります。 薬草としても有 ...

通年 茶入・棗・茶器

濃茶の掃き方

2020/8/17  

https://chanoyujiten.jp/wp-content/uploads/2020/05/茶入1.mp4 茶入からの抹茶の回し出しを解説しようと思います。登録の都合上、回し出しの部分から切 ...

通年 7月 掛軸

大津絵ー鬼のいろいろ

2022/7/29  

大津絵には、鬼の絵がとても多いです。鬼の絵は、様々な風刺をしていて内容を知ると面白くて仕方ありません。いくつかを紹介したいと思います。 「鬼の三味線」という大津絵です。鬼が裃を着て三味線を弾いていて、 ...

通年 茶入・棗・茶器

棗と茶器の抹茶の掃き方の違い

2023/9/6    

https://chanoyujiten.jp/wp-content/uploads/2020/04/棗の茶の入れ方。mp4.mp4 棗からの抹茶の掃き方を解説します。(私たちの流儀の掃き方です)棗は ...

6月 茶花 和菓子

水無月と半夏生

2020/7/7  

1年の半分が終わる月となりました。暑くなるこれからの季節に暑気払いの和菓子です。 「水無月」といいます。宮中ではこの季節、暑気払いとして氷室の氷を召し上がったようです。しかし、庶民は氷室の氷など手に入 ...

通年 茶入・棗・茶器

仕服の包み方・開け方・茶入の清め方

2020/6/20  

https://chanoyujiten.jp/wp-content/uploads/2020/05/仕服の包み方.mp4 仕服に茶入を入れる包み方を説明します。 〇つがりを向こう側にして、茶入の正面 ...

5月 茶花

小判草と兎の尾

2020/6/28  

 道端にたくさん生えている小判草です。小さいころは、虫みたいだなと思っていました。茶室で生けると、茎が細くてサワサワと揺れる感じが涼やかに見える野草です。秋になってくると、どんどん茶色くなってくるので ...

6月 和菓子

和菓子の日

2020/6/8  

6月16日は「和菓子の日」です。平安時代に疫病が流行り、16個のお餅や和菓子を神様に供え疫病平癒と健康招福を祈った宮中行事が始まりです。西暦848年に仁明天皇が「嘉祥(かじょう)」と改元されました。「 ...

掛軸

鬼の念仏ー大津絵

2020/6/21  

 「鬼の念仏」は、江戸時代の大津絵ができた当時から、大津絵店の店頭を飾る看板にも描かれるほどの代表的なものでした。鬼が墨染を着て僧の身なりをしています。首から鉦(かね)を下げていて、右手には撞木(しゅ ...

通年 茶巾

茶巾で茶碗を清める

2020/6/2  

https://chanoyujiten.jp/wp-content/uploads/2020/05/茶巾.mp4  茶碗で茶巾を清めることの解説をします。 〇右手で茶碗を取り、左手を茶碗の下に添えて ...

4月 5月 茶花 茶碗 和菓子

花筏(はないかだ)

2020/6/2  

 5月に花を咲かせる「花筏」。よくよく見ないと花が咲いているかわからない茶花です。葉っぱの上に乗っている小さなものが花です。花が葉っぱの筏の上に乗っているようなので、「花筏」の名前がつきました。  桜 ...

通年 茶入・棗・茶器 茶碗 懐石

茶碗と茶器を置き合わせるー三光

2020/8/17  

「水指を頂点に三角形に置いてください。」と教えています。「これくらいの三角形ですか?」「ちょっと広いですね。」スッと置きつけることができたらいいですね。 水指を頂点に、茶碗と茶器の間はだいたい5目くら ...

風炉の季節 柄杓

柄杓を構える

2020/8/17  

お点前の最初の構えである「柄杓を構える(鏡に持つ)」には意味があると言われています。 柄杓の長さは、利休の脇差の長さに作られたのが始まりと言われています。武士であろうと、茶室には刀は持ち込めない時代で ...

5月 茶碗

三社祭とは

2020/6/2  

 私の祖母と母の出身は浅草です。三社祭は、毎年楽しみにしているお祭りです。  「三社祭」の由来は、二人の兄弟から始まります。桧前浜成(ひのくまはまなり)と竹成(たけなり)二人の漁師です。二人が隅田川で ...

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