1月 和菓子

花びら餅


年明けの茶席の和菓子といったら「花びら餅」
裏千家の初釜で主に使われますね。
表千家は「常磐饅頭」
「花びら餅」を頂くのは、宮中の鏡餅に由来しています。
 その昔、宮中の鏡餅というのは、2つの鏡餅の上に葩(はなびら)という薄い丸餅が12枚、そして紅色の菱餅(菱葩)が12枚のっている鏡餅でした。年が明けて、年神様に供えた鏡餅を下げて公家公官たちに直会(なおらい)として配られる。配られるときには、手のひらに葩をまずのせて、その上に菱葩をのせて、ごぼうをのせて、味噌をつけて渡されました。これを自由に折りたたんで持ち帰ったそうです。
これが、茶道の初釜の和菓子として伝わったものなのです。味噌あんが美味しい和菓子です。


鏡餅のお飾りにも意味があります。
一番上にのせているのは「橙(だいだい)」です。「だいだい」=「代々」につながり、代々繁栄するようにとの願いが込められています。
その下には「干し柿」です。果実が赤く熟しても落ちることなく木についていることから、長寿を意味しています。
干し柿の数は、端に2こづつ、中に6つの計8この干し柿で「夫婦(ふうふ=2こづつ)仲睦まじく(なかむつまじく=中6つ)」という意味です。
餅の前には「海老」です。長い髭と腰が曲がっているところから、海の老人と言われ長寿を表し、茹でると赤くなることからおめでたい時に飾られます。
餅の下には「昆布」です。昔は昆布と書いて「ひろめ」と読んだため、「お披露目」に通じることから祝儀に用いられました。今では「よろこんぶ=よろこぶ」の語呂合わせで飾られます。
昆布の下には「するめ」です。「するめ」は「寿留女」の字をあてて、おめでたい時に飾られます。
昆布とするめの間には「裏白(うらじろ)」です。葉の裏が白くなっているシダです。後ろ暗いところがない清浄な心を表しています。また、シダは古い葉の上に新しい葉が重なって出てくることから、代々栄えることを表してもいます。
そして、「お餅」は重ねることによって重ね重ね幸せがくるようにと願いが込められています。

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