炉の季節 茶室

内角(うちずみ)と外角(そとずみ)の違いは

 お稽古で、今日のお点前は、内角ですか?外角ですか?とお弟子さんによく聞かれます。小さな卓(運び出し含む)と大きな棚で分けると覚えて下さい。小さな卓と大きな棚では、棗と茶筅の置き合わせの位置が変わるために、座る角度を変えて棗と茶筅を置きやすくするためのスペースをつくっているのです。

 こちらは、小さな卓(運び出し)の内角ねらいです。内角にねらうとおしりが炉の際に入っているような形になり、黄色の台形の部分が置き合わせに使えるスペースです。小さな卓の場合は、水指から釜に一直線に棗と茶筅を置き合わせます。そのため、建水近くのスペースは小さくても窮屈ではありませんので、黄色の台形部分が小さいです。お点前の時、柄杓の先も同じく内角ねらいで置くことに気をつけてください。


 こちらは、大きな棚(長板)の外角ねらいです。外角にねらうとおしりが炉の際から出る形になりますので、黄色の台形の部分が置き合わせに使えるスペースです。大きな棚の場合は、水指の前に棗と茶筅を置き合わせます。棗と茶筅が建水近くにあるため、内角で座るとスペースが小さくて窮屈になります。そのため、外角で座りスペースを広くしています。前の写真より、黄色い台形が少し大きいです。さらに、炉の点前ですと建水の前に帛紗を置きますので、帛紗も置きやすくなります。お点前の時、柄杓の先も、同じく外角ねらいで置くことに気をつけてください。
 更に気を付けることは外角ねらいに座り、柄杓を蓋置に預ける時には、内角のように体と平行に置いてはいけません。平行より少し体に寄せて柄杓の柄を置きます。細やかな決まりが茶道の規矩を支えています。

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