5月 茶碗 和菓子

杜若(かきつばた)・あやめ・しょうぶの違いー八つ橋茶碗から見る


 この茶碗を見て、「きれいな、かきつばたの茶碗ですね。」「かきつばたでなく、しょうぶですか。」「あれっ、あやめですか。」残念ながらどれも違います。この茶碗を見て、花以外のものに目を止めて欲しいです。もう一つの絵、橋が描かれています。
 短い板で、折れてつながっている橋。これが「八つ橋」です。花をゆっくりと愛でることができるように、散策するための橋です。ということで、この茶碗は「八つ橋」茶碗と呼ばれています。
尾形光琳の「八橋蒔絵螺鈿硯箱」
尾形光琳の「八橋図屏風」
葛飾北斎の版画「三河の八つ橋」が有名な作品です。三河の八つ橋は、伊勢物語の「東下り」が詠まれた場所として、かきつばたで有名な場所です。現在の愛知県豊橋市になります。
 もう一度、茶碗の絵を眺めてみると、花の下に水紋も描かれているので、茶碗の絵の中の花は「かきつばた」か「しょうぶ」ということになります。「かきつばた」と「しょうぶ」は水辺に咲きます。茶道で使われる茶碗は「伊勢物語」をイメージさせることから、「かきつばた」の絵になることが多いと思います。「かきつばた」と「しょうぶ」の見分け方は、葉の太さの違いです。「かきつばた」は葉が太く、「しょうぶ
」は細い葉です。「あやめ」は水辺ではなく、畑に咲きますので、下に水紋が描かれることはありません。

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 ちなみに、和菓子で有名な「八つ橋」は「三河の八つ橋」とは全く関係はありません。和菓子の八つ橋は琴の名手であった「八橋検校」にちなんで作られたもので「琴」の形をしています。八橋検校が米櫃に残った米をもったいないと言って、茶屋の店主にシナモンを混ぜてせんべいを作ったらいいと提案しました。検校の死後、彼を慕っていた人達によって、琴の形にして和菓子として残したそうです。

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