通年 茶室

表千家と裏千家の違いは何ですか


体験にいらっしゃった方によく聞かれる質問です。「表千家と裏千家の違いは何ですか。」一言で言ってしまえば、兄弟です。千さんという苗字のお兄さんと弟さんです。
千利休から茶道が始まり、その孫千宗旦の子供に四人の息子がいました。千宗旦の家である不審庵を、四兄弟の三男である千宗左に家督とともに譲りました。ここで表千家の千宗左の始まりです。そして、父宗旦と四男の千宗室は不審庵の裏に今日庵を建てて移ったのです。ここが裏千家の始まりです。敷地は三男も四男も一緒だったため、仕切りのように今日庵には宗旦の手植えの銀杏があります。そのため、今でも銀杏は裏千家のシンボルマークとなっています。
銀杏には、木がコルク質で水分を貯めるとの事で、京都市中の火災延焼で、裏千家も利休像を池に埋めたりしました。火災でいよいよ危ないと言う時には、銀杏が水を噴出し、今日庵は火災をまぬがれたとの逸話も残っています。今日庵の銀杏は今でもご神木として注連縄をして祀られています。お寺や神社にもよく銀杏があるのは、水を貯え自然災害からお寺や神社を守るご神木の意味です。
千家にはもう一つのお家元、武者小路千家があります。官休庵の千宗屋です。こちらは、宗旦の息子の四兄弟腹違いの次男になります。道を隔てた所に官休庵が今でもあります。点前の流れはみな同じですが、作法が少しづつ違います。

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