通年 茶入・棗・茶器

木目の向きは縦か横か


 「阿古陀茶器」というものがあります。「阿古陀」は「阿古陀瓜」のことで、昔の「南京(かぼちゃ)」のことです。夏の終わりころの瓜科の植物が大きくなるころに使ったり、冬至の季節に使ったりします。
 お稽古で阿古陀茶器を使うとき、よくお弟子さんに「蓋の木目は縦ですか?横ですか?」と聞かれます。小さいものは縦、大きなものは横と教わりました。ということは、阿古陀茶器の蓋は小さいので、木目は縦です。
 
 では、お盆はというと、お盆を持ってみると、横に木目が入っています。お盆は大きいので、木目は横です。なぜなら、コップなどをのせた時、横に木目で持たないと、もし木目にヒビが入っていたら、重さで二つにパリンと割れてしまう可能性があります。つまり、両手で持つ大きなものは、木目が横になるのです。

 茶器や棗の蓋は、片手で上下を持ちます。縦に木目が入っていたほうが、割れづらいのです。片手で持つ小さなものは、木目が縦ということになります。

 では、この小さめの銘々皿は木目は縦か横かというと、銘々皿はどんなに小さくても両手で持つので、木目は横ということになります。見た目で木目を縦か横かを決めているのではなく、実用的な理由で木目の向きを考えています。

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