通年 茶室

茶室の小さな入り口ーにじり口

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 茶室の小さな入り口のことを「躙り口(にじりぐち)」といいます。お茶室ならではの入口です。ここから入ってみたいんだよな~、と美術館の茶室を眺めたことがある方も多いと思います。
 戦国時代の入り方は、まず刀掛けに刀をかけ、武士も町人も同じ立場で頭を下げてくぐります。にじり口の板は中途半端に張り付けた板のようになっていることが多く、板を二枚半を使う決まりです。これは利休時代に不要な雨戸を切り落として作ったのが始まりだからです。
 写真でみえるでしょうか。引き戸の部分は、下板のレールがありません。引き戸の部分は、穴が開いているようになっています。これは、吹き込む雨水をためないでそのまま地面に流してしまう作りになっています。雨の多い日本ならではの作りです。
 中に入ると、詰の方はにじり口の戸を閉めると鍵をかけることができるようになっています。中から鍵が閉められる和室はあまりないように思います。戦国武将から広まったお茶室だからかなと思います。
 にじり口から入ってみたいな~、と思った方。にじり口は入るより、出るほうが難しいんです。にじり口の畳に腰掛けて足だけ先に出して草履を履いてしまい、それから頭をかがめて出します。美しい所作は、なかなか難しいものです。

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