10月 11月 茶入・棗・茶器

束ね柴

束ね柴とは、寒くなる季節に冬支度のため山で小枝を拾ってそれを束ねた様子を表した文様です。薪ではすぐに火が起こせないために、柴を使って火をつけます。こちらは束ね柴の蓋置。

わが家には束ね柴を積んだ舟の蒔絵の棗もあります。

若いお弟子さんとの会話で、       「この舟に積んでいるものは何?」と聞いたら「小枝」「箒の先」との答え。

桃太郎のお話しで、おじいさんはどこに行ったでしょうか?と尋ねたら、       「山にしばかり」と答えてくれました。

「小枝とは言わないでしばかりの『しば』だよ。」と伝えたら不思議そうな顔。

「しばかりって、芝生刈るんじゃないんですか。」と質問されました。

「おじいさんが行ったところ、ゴルフ場じゃないから・・・」

若者には「しばかり」が「柴刈り」にはつながらないようです。二宮金次郎の銅像は忘れられているようです。

ということで、この棗は「柴舟蒔絵」の棗です。秋になってくると柴を刈りに行き、それを束ね柴にして舟に積み、川を下って売っていた様子を表しています。

金沢のお菓子で有名な「柴舟」。こちらは柴舟に雪が積もった様子をお菓子にしたものです。

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