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利休三十五条嫌忌

千利休が嫌った三十五の事柄をまとめた「利休三十五条嫌忌」というものがあります。現代の茶道にも社会にもつながることがたくさんあります。
一、油杓
柄杓から湯や水を茶碗に入れる時に、柄杓の高さを上下にかえて注ぐこと。
二、足ずり茶碗
茶碗を自分の手前に引く時に、茶碗を畳に引きずって扱うこと。
三、坐するに浮尻
畳に座っていて、何か物を取ろうとするときにお尻だけ浮かせて取ってしまうこと。
四、鼻啜り
茶室で鼻をすすること。
五、われこそ顔
自分こそすばらしいと、したり顔や上から目線のこと。
六、功名話
自分が成功したことなどの自慢話や無駄話のこと。
七、人事いう下げ巾着
自分の事はさておき、人の事を云う人のこと。
八、居合腰
居合の構えのように肩膝を立てて、腰を浮かせた姿勢で、落ち着きのないこと。
九、蟹挟み
物を持つときに、親指と人差し指でつまむように持つこと。茶巾などの軽いものを持つときでも、人差し指に他の三本指も添えるように持つことが大切です。棗や茶入の蓋を親指と人差し指で取ってしまうことが多いです。
十、帽子着茶碗
抹茶をいただくときに、高くかかげて飲むようにして、顎が上がり茶碗が逆さまになるようにして飲むことで、茶碗が帽子のようだと言っています。
十一、烏飛び
畳を歩く時、横に歩いて移動すること。
十二、十文字
炭のつぎ方の事で、十文字に炭をつぐこと。
十三、五徳挟み
炭のつぎ方の事で、五徳の爪を挟んで炭をつぐこと。
十四、底かき灰
炭手前で灰器の灰を灰匙ですくう時に、灰器の底をかいて灰をすくうこと。
十五、炭斗水指両箱持
炭斗や水指を運び出す時に、重いものを持つように底から手を添えて千両箱のように持つこと。炭斗や水指は落とさぬように、小指だけ底にかけて運び出します。
十六、茶入茶碗天秤持
茶入と茶碗を運び出しする時、茶入と茶碗が天秤のように上下すること。茶入と茶碗を運び出しする時は、茶入の蓋分だけ茶碗より茶入を少し上にして帯の高さに持ち、脇には軽く卵を挟んでいるようにして持ち出します。
十七、寝むら
お点前が手順ばかりで、活気のない点前のこと。
十八、 から杓
柄杓の扱い方のことで、軽々しく柄杓を扱うこと。
十九、死杓
柄杓の扱い方のことで、柄杓の扱いに心がこもっていないこと。
二十、打杓
柄杓の湯を切る時に、なかなか雫が垂れないので柄杓をふって雫を落とすこと。
二十一、生姜手
茶杓や茶巾、帛紗など軽いものを扱う時に、ギュっと握りこんでしまい、手の形がボコボコして生姜のような形になること。指先を伸ばし指を揃えて持つことが大切です。
二十二、手かい茶碗
茶碗の扱いのことで、左右の手が交差して茶碗などを持つこと。基本的には体の右側のものは右手で扱い、体の左側のものは左手で扱います。仮置きから茶碗を茶入に置き合わせる時などに気を付けることです。
二十三、つまみ茶巾
指の先で茶巾をつまんで持つこと。
二十四、追掛け茶
抹茶に茶碗を入れる時の点前で、茶杓を取り、茶入を取る時に慌ただしく追い掛けるように茶入を取ること。茶杓と茶入をきちんと分けて一つづつ取ることが大切です。
二十五、擂古木茶筅(すりこぎちゃせん)
濃茶を練る時に、茶筅を茶碗にすりこ木のようにこすって練ること。強く練ると、茶碗も痛みますし、濃茶が苦くなります。
二十六、さがり引き
茶筅の扱いで、「の」の字を書いて茶碗から茶筅を上げる時に名残りなくサッと引くこと。
二十七、練り抜き茶筅
濃茶を練った後に茶筅を上げる時に、ためらいなく茶筅を上げてしまうこと。薄茶の時は、茶筅を上げるのは、「八」の字の二画目の方向にゆっくりと引きます。濃茶の時には、この上げ方だと濃茶が垂れてしまいますので、茶筅をまっすぐ立てて上げてゆっくりひっくり返すことが大切です。
二十八、みがき茶杓
帛紗で茶杓を清める時、茶杓を磨くように強く拭き取ること。
二十九、すり茶杓
茶杓を棗に置く時などに、擦れてしまうこと。
三十、尻向
お客様にお尻を向けること。
三十一、砂けり
畳を歩く時、砂をけるようにつま先を上げて歩くこと。
三十二、米ふみ
畳を歩く時に、籾殻を外すために米を踏んで歩いたように太ももを上げて歩くこと。
三十三、引きすり挟み
炭手前で、炭斗から炭を取る時に、重なった下の炭を引きずり出して炭をくべること。
三十四、丁字
炭のつぎ方のことで、「T」の字のように炭をつぐこと。胴炭に管炭をかける時は、まっすぐではなく少し斜めにして炭をつぎます。
三十五、かき茶碗
抹茶の点て方で、茶筅の先で茶碗をひっかきながら抹茶を点てること。

利休が嫌った事、今でも心して茶席に入らないといけないと改めて思います。

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