風炉の季節

桑小卓(くわこじょく)の始まりと飾り方

丸卓と合わせて基本の棚です。桑で作られていて、天板、中棚、地板があり、四本柱の二重棚です。女桑と男桑があり、女桑の方が桑の木の色が濃い色と聞いています。裏千家初代仙叟宗室が、矢を立てておく矢台から考えた卓です。矢台とは、天板と中板にたくさんの穴が開いていて、そこに矢を刺して置いておいた台のことです。最初は棚として使用するのではなく、床の間に置いて、香炉と花入を飾る台として使用したのが始まりです。仙叟が「桑小卓」として作り、表千家初代の江岑宗左に送ったことから、今では裏千家と表千家両方で棚として使われています。
この棚をよく見ると、とても丁寧な作りになっています。天板は丸く面取りされた「唐戸面(からとめん)」です。中棚が地板より二寸高と低い位置にあり、中棚と地板との間の脚が下に広がっている「聖脚(ひじりあし)」です。地板は中棚より少し大きくなっていて、側面は矢台の名残りで矢筈になっています。

桑小卓の飾り方です。まずは「一つ飾り」です。茶器のみ天板真ん中に飾ります。

次は「二つ飾り」です。柄杓と蓋置を「入」「八」飾りにします。柄杓は天板の上部に合を3分の1のところに仰向けにのせて、柄は下部4分の1のところに斜めに飾ります。蓋置は合の真下で節の横に飾ります。

「三つ飾り」です。柄杓を左の柱に斜めに、右手で水指側から入れて、左手は添手で飾ります。蓋置は地板から出ない所にのせて飾ります。茶器は天板真ん中に飾ります。


「四つ飾り」は2種類あります。天板に茶碗と茶器の両器を飾る方法と地板に蓋置を入れた平建水を飾る方法です。茶碗を飾る時には、茶筅すすぎをした後に、茶巾で茶碗を清めて茶巾も絞りたたみ直します。平建水を飾る時には、一度建水を持ち帰り水次をした後に、きれいにした建水を持ちだして飾ります。建水は地板から少し手がかり用に前に出して飾ります。
「総飾り」です。茶碗と茶器、柄杓、蓋置、建水すべてのものを飾ります。とても勉強になる棚になります。

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