風炉の季節 6月 茶花

蛇籠と加茂川籠

「蛇籠」と「加茂川籠」です。どちらも籠目に編む竹細工の編み方は同じですが、少しだけ太さと長さが違います。長さが長くて少し細い方が「蛇籠」で、長さが短くて少し太い方が「加茂川籠」です。どちらも同じ用途のものを模したものなのですが、実物はとても大きく籠の中に石をつめて、川の縁の補強や川の中に沈めて水流を抑えるためのものです。今ではほとんどなくなってしまったものであるだけに、残しておきたい籠の一つです。現在では籠で編むことはなく、ワイヤーで作っています。

ドンベイさんによる写真ACからの写真

こちらは、「平水指」の文様です。ざるをひっくり返したような文様です。こちらも川の流れをゆるやかにするために川に沈めた籠であることから形は違いますが「蛇籠文様」と一般的には呼ばれています。

今日のお稽古では「山翠添新雨(山翠に新雨を添える)」の短冊に「加茂川籠」花は「山吹の葉・蛍袋・苺」です。お弟子さんに、「床の間を眺めていると、加茂川の風景に雨に打たれた新緑と雨混じりの川の流れの音まで聞こえてきそうですね。」と言っていただきました。茶室に居ながらにして、日本中どこにでも心を寄せることができる茶道のひと時。

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