床の間にある違い棚。上段には筆返しがついていて筆や冠、香炉を置きます。下段には書物や巻物、硯箱を置きます。
この違い棚をつなぐ柱の名称のことを「海老束(えびつか)」や「雛束(ひなつか)」と言います。
建築用語は、本当に面白い名称が多いですね。この小さくて短い柱ではありますが、数寄屋大工の丁寧な仕事が施されています。
海老束の角に三角形の切り込みが入っていると「几帳面」といいます。これは、平安時代の几帳の柱に使ったことから名付けられた柱の細工の名称です。この几帳面が丁寧に作られていることから、きちんとしていて真面目な性格の人のことを几帳面というようになった語源です。なんでこの柱に海老という文字が使われたのだろう?という疑問はわからないままです。
福島のお屋敷の海老束。筍と童。どちらもすくすくと育つことから、家が栄えることを願う。
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