源氏車が半分だけ描かれていて、半分は川に浸っている文様は「片輪車」です。
5月の祭りが終わった後、源氏車の車輪を洗い、乾燥を防ぐために流水に浸されました。「片輪車」はその情景を表した文様です。源氏車が使われていたであろう平安時代に見てみたかった光景です。
平安時代後期には文様として完成した、東京国立博物館所蔵の「片輪車文様蒔絵螺鈿手箱」は有名です。
<お道具の組み合わせ>
軸 「行雲流水」
水指 緑釉
茶碗 片輪車
棗 誰が袖棗
茶杓 銘「山ほととぎす」
軸は「行雲流水」です。空を行く雲や水の流れを表した言葉です。滞ることなく、自然であることを意味する言葉に穏やかな平安時代に思いを寄せていただけたらと思います。
水指は「緑釉」源氏車を流す川の向こうに、京都の山々が見えるようです。
茶碗は「片輪車」
棗は「誰が袖棗」平安の女性達も源氏車を川に流す様子を美しいと眺めていたのかもしれません。
茶杓銘は「山ほととぎす」川の向こう側の山から、初ほととぎすの鳴き声が聞こえてきます。
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