盃洗(はいせん)って知っていますか。こんな形のものが多いです。
その昔、一つの盃で酒を酌み交わすことで心を通わせるという儀式がありました。相手に盃を差し出して敬意をあらわす献盃(けんぱい)。また、その盃をお借りしてお流れを頂戴する千鳥の盃。同じ盃を使うため、盃を拭くだけではなく洗って渡すために一人一人のお膳の横に盃洗に水が入れて置かれていました。
今では、ほとんどなくなってしまった儀式ではありますが、昔使われていた盃洗はとても綺麗な絵付けがしてあったり、漆の蒔絵がしてあったりします。我が家にあるものも、祖母のものです。松皮菱や源氏香が描かれていて茶碗よりよっぽど豪華な絵付けです。盃洗としては使わなくなってしまったので、菓子器として代用しようと思います。用途をご存知の方は、もしかしたら少し不快に思うかもと思い、下に懐紙を敷いて使いました。豆やあられを入れるのにちょうどいい大きさです。