5月

扇子が川に流れている絵柄ー扇面流し

扇が流されている模様は「扇面流し」といいます。
開いた扇子が水に流されている絵です。扇子は紙なので、水に流したら濡れてしまうのに、と不思議に思っていました。
調べてみると、京都嵐山の車折神社の「三船祭」の様子を表した文様のことでした。「三船祭」の由来は、宇多天皇が行幸の折に「和歌」「漢詩」「奏楽」に長けたものを三隻の舟に乗せて、御舟遊びされたことから「三船」といわれたのが始まりです。
現代では、五月第三日曜日に嵐山の大堰川に舟を浮かべて、その舟から願い事を書いた扇を十二単姿の女性が流し、奉納者の芸術の上達などを願うお祭りとなっています。芸術の上達を願う文様ということは、基本の運び出し点前で使う水指にぴったりです。
<お道具の組み合わせ>

三船祭と女性の芸事の上達を願ってのお道具組

床  「清風動脩竹(せいふうしゅうちくをうごかす)」清らかな風が細く伸びた竹をサワサワとゆらす
水指  扇面流し
茶椀  赤楽
茶器  寸切「螺鈿橘」
蓋置  太鼓胴
茶杓  銘「いろは」
茶道を始めたばかりの方に向けてのお道具組です。
「清風動脩竹」筍が終わり、細く伸びていく竹。この竹を清風が揺らす。清涼感とともに若いこれからのお弟子さんを表す軸。
「扇面流し」の水指。
「赤楽」の赤い茶碗は女性の優しさを表します。
「寸切」の茶器には螺鈿の橘の絵柄。初々しさと凛とした女性をイメージさせます。
「太鼓胴の蓋置」お祭りをイメージさせるものも用意しました。
茶杓銘は「いろは」最初の一歩を踏み出したお弟子さんへの応援です。

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