利休七種という蓋置があります。「火舎香炉(ほやこうろ)」「五徳(ごとく)」「三葉」「一閑人」「蟹」「栄螺」「三閑人」です。
「蟹」の蓋置の始まりは、中国の文房四宝で伝わりました。墨台だったと考えられています。銀閣寺に蟹の墨台がたくさんあり、13個置かれていたものを、武野紹鷗が一つ持ち帰り、蓋置として使ったのが始まりとされています。
利休七種の覚え歌
「ほやごとくみつばいっかんかにさざえみつにんぎょうもに七種なりけり」
「蟹」と「栄螺」の扱い方について説明します。
「蟹」はハサミを上にするイメージがありますが、逆です。こぼしに仕組む時も、釜の蓋を置く時も、棚に飾る時もハサミが下向きです。顔のある生き物は、亭主(点前をしている人)と向い合わせになるようにします。
蟹の蓋置を持ち帰る時は、蟹が自分と向い合わせで持ちます。扉を開ける時は、蟹のはさみが柄の下にくるように捻って置きます。
「栄螺」の蓋置は、こぼしに仕組む時は、「貝の先(渦になっている方)が下」になるように仕組みます。
釜の蓋を置く時には、貝の先を自分の方にして、左手の手のひらにのせて本を開くように右側に栄螺をひっくり返します。そのまま貝の先を勝手口の方に少し振って置きます。
棚に飾る時は、まず、こぼしの下に預ける時に釜の蓋に置いたそのままの形で置き、棚に飾る時は左手の手のひらにのせて本を閉じるように左側にひっくり返します。貝の先を少し勝手口に振って飾ります。
栄螺を持ち帰る時には、こぼしにの下に預けたそのままに貝の先が下になったまま持ち帰ります。扉を開ける時にも、そのまま貝の先を下にして柄杓を引いて扉を開けます。
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