「紗綾形」なんて模様知らないです。そんなことないですよ。ご自身の着物の地模様、あるいは長襦袢の模様をよ~く見てみてください。それが紗綾形(さやがた)です。紗綾形は卍崩しや雷文繋ぎとも言われる模様です。
桃山・江戸時代に紗綾織が中国の明王朝から輸入され、地模様として使われたのが始まりです。昔は、女性の慶事礼装用の白襟には紗綾形が使われると決まっていました。中国では吉祥の意味があったからと思われます。仏教やヒンズー教などにも紗綾形は使われていて、宗教的象徴の文字として使われています。多くの文化で多様な意味を持つ卍ではありますが、私自身は長襦袢を羽織るときに、守られているような気分になります。
こちらは、花嫁さんの白無垢の胸元です。
様々な紗綾型の柄が使われています。
帯に刺しているのは「懐剣」
邪悪なものを入らせない意味や自分の身は自分で守るという意味で明治期ころから、花嫁衣裳に使われはじめました。
胸元に入れてるのは「筥迫(はこせこ)」
武家の女性が紅筆などを入れておいた化粧ポーチです。