「丸卓の木地だけは、柄杓を伏せて飾りますよ。」先生の言葉に「なんで、丸卓の木地だけ伏せるのだろう。」と思っていてもお稽古の場ではなかなか聞けないものです。
棚と柄杓の置き方に陰陽和合の決まりがあります。丸卓の中の小さな陰陽和合です。このことによって、柄杓の合を伏せたり、上に向けたりする違いがあります。
棚が漆で塗られていない木地で作られていて、棚の天板の形が丸である丸卓は陽です。そのため、その上に飾る柄杓は、合を伏せて陰に飾るのです。
丸卓でも、棚の天板が漆で塗ってあれば陰になるので、その上に飾る柄杓は、合を上に向けて陽で飾ります。
丸卓以外の棚で天板が四角であれば、漆の塗られていない木地であっても、漆で塗ってあっても陰になります。そのため、飾る柄杓は合を上に向けて陽に飾ります。丸卓の漆を塗られていない木地だけが違う飾り方と覚えてください。
一年に一回は必ず使う棚です。そんな一日のお稽古日に、普段は考えない陰陽和合と出会う日となります。
丸卓には3本の足がついています。炉と風炉で置き方が違うことを覚えておいてください。
炉で使うときは、丸卓の1本足が前に置きます(写真上)。風炉で使うときは、丸卓の2本足が前に置きます(写真下)。これは、風炉の時の置き合わせに関係しています。風炉の時は丸卓の隣に風炉を置き合わせます。風炉の足は、必ず1本足が前にあります。風炉の隣に丸卓を置き合わせる時は、陰陽を意識して2本足を前にして置きます。
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