三月三日のお雛様の和菓子といったら「ひなあられ」これは、雛祭りが室内ではなく、流し雛だった頃のおやつでした。女の子の穢れを形代につけて川に流した流し雛。川に行く時のおやつが「ひなあられ」でした。「ひなあられ」は四色でできています。ピンク色と緑色と黄色と白色。この四色には意味があります。ピンク色は花の春。
緑色は葉の夏。
黄色は紅葉の秋。
白色は雪の冬。ひなあられの色で春夏秋冬を表し、女の子が四季を通して健康でいられることを願っています。ここに、小豆の甘納豆が入ることがありますが、こちらは赤飯と同じ意味で魔除けになります。
同じ色合いで菱餅は、三月三日の春の季節を表しています。
上のピンク色は、桃の花。
真ん中の白色は、雪。
下の緑色は、草を表しています。
春になると、桃の花が咲き、雪の下からはゆきまの草が生えてきている様子を表しています。
緑色は「健康」。白色は「清浄」。ピンク色は「魔よけ」。こんな意味も持ち合わせています。
茶席で「ひなあられ」を使うことがあります。菓子器に匙が付いていればいいのですが、匙が付いていないときにどうすればいいのか?そのまま手を入れてあられを取ってはいけません。
懐紙を小さくたたみ、匙の代わりにしてすくうと良いかと思います。