能の演目に「紅葉狩」があります。
平維茂(これもち)の鬼退治の話です。
維茂が戸隠山で鹿狩りをしている途中、高貴な女に誘われ、酒を勧められ酔いつぶれてしまいます。
高貴な女は、戸隠山の鬼神であり、眠ってしまった維茂を食べてしまおうと狙っています。
酔いつぶれて眠っている維茂は、夢の中で高貴な女は鬼神であり、討ち果たすべしと神からお告げを受けて神剣を授けられます。
夢から覚めた維茂は、般若の鬼女と戦い、退治する話です。
我が家に、紅葉狩を連想させる茶器があります。
この「甲赤棗」で一日楽しむことができます。今は、蒔絵で描かれることが多いですが、これは時代棗で銅板で般若の面が張り付けてあります。
茶杓銘は「打杖(うちづえ)」
鬼女と維茂が戦う最後の場面で、維茂は神剣を持っていますが鬼女の般若は「打杖」を持っています。
茶道での語らいは、無限に広がります。一座建立。主客との語らいで、いつもと違う紅葉狩が楽しめます。
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