茶道具を入れてある桐箱。桐材は火に強く水にも強いです。そして桐は木目が美しく、肌触りがよく、細工がしやすくて軽いです。桐の箪笥は火事の時、表面は焼けてしまったが、箪笥の中は燃えなかったと言います。また、火事の時には桐箱を井戸の中に投げ入れたら、軽くて浮きますし薬籠蓋になっていると水で桐材が膨らんで密閉されて、箱の中に水が入らないということです。
この桐材を使って、基本的には茶道具の箱は作られています。そして、桐箱の蓋の作り方によって真行草の違いがあります。
こちらは真です。薬籠蓋と言われ、上からきちんと被さって閉まります。茶通箱はこの作りです。掛軸なども、薬籠蓋が多いです。印籠の作りにも似ているので、印籠蓋とも呼ばれます。下箱の内側に立ち上がりあり、立ち上がりの部分に角度がついているため、桐の木の重みでスーッとしまって密閉性にすぐれています。
こちらは行です。四方桟蓋と言います。蓋の裏側に四本の桟を付けた蓋で、天板が反りにくいし、丈夫にできています。
こちらは草です。二方桟蓋といいます。蓋の裏側に二本の桟を付けた蓋です。
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