水屋で最初に覚えるのは、茶巾のたたみ方です。縦3分の1にたたんでから、親指を入れたままふっくら2回たたみます。このふっくらした部分をそのままに茶碗に仕組みます。このたたみ方を「福留(ふくだめ)」といいます。神主さんが着る狩衣のお腹のあたりのふっくらした部分を表しています。清浄なものの象徴です。
茶巾の絞り方を解説します。
〇茶巾の長い方を対角線にとり半分に折ります。この半分に折った形で茶巾の先が少し手がかりになるように茶巾だらいにかけてあります。
〇右手で茶巾の先を持ち、茶巾たらいで振り洗いをします。
〇左手で振り洗いした茶巾の真ん中を取り、下に半分に折ります。
〇右手を上、左手を下に持ち替えて右手で茶巾を縦に絞っていきます。茶巾を横にして絞ってはいけません。横にして絞ると雑巾絞りのように見えるためです。茶巾のしずくは、左手の小指を伝って流れるように絞るのがよいです。
ここからは、茶巾のたたみ方の解説をします。
〇茶巾をしっかりと絞り切ったら、上下を逆さまにして振り洗いした時の頂点を上に向けて角と角をひっぱり茶巾を広げます。
〇対角線に折られた茶巾は左手を動かさずに、右手の親指だけで広げます。
〇茶巾の長い方を引っ張り、右手でたぐって短い方を引っ張り、右手でたぐって長い方を引っ張ります。3か所だけ伸ばしてから茶巾をたたんでいきます。
〇茶巾を向こう側に3分の1づつ折ります。
〇茶巾の真ん中に左手の親指を入れて半分に折ります。
〇左手の親指は抜かずに、右手でもう半分に折ります。
〇「福だめ」をつぶさないように左の親指を抜いて、もう一度半分に折ります。
〇茶巾の右角を持ち、茶巾の左角を持ち、茶巾の真ん中に持ち替えて茶碗に仕組みます。
茶巾を茶碗に仕組む時に気を付けることは、茶巾を茶碗の上の方に置いて、茶筅を茶巾で止めることが大切です。
(参考文献)「茶の湯稽古場日誌」黒田宗光著 (淡交社)
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