弓矢を持つ二人。お内裏様とお雛様の護衛をしている随身は、左大臣と右大臣です。
左大臣はお年寄り。
右大臣は若者。
左上位の時代ですから、左大臣の方が上の位です。
服装の色でも位がわかります。
緋袍は五位。黒袍は四位以上を表しています。
したがって、位の高い左大臣が黒い服。
緋色の服が右大臣となります。
左大臣と右大臣、二人の前には桜と橘の花が置かれます。これは、京都御所にある花がお雛様にも飾られたということです。この二つの木は霊力があり、魔除けの意味があるとされています。
この二つの木の橘の木。よく見ると花と実が両方ついています。実際の木で花と実が同時につくことはありません。調べてみました。
橘は蜜柑のことです。『古事記』には不老不死の理想郷である「常世の国」に自生する植物と記されています。常世の国にある橘は、つぼみと花、果実が同時になる植物とされ、花と果実が一緒に木になっているのです。
着物の文様などにも、花と実が両方描かれたりしています。
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