通年 茶碗

抹茶の頂き方ー三口半

「三口半でどうぞ。」初めて抹茶をいただく時に、先生がよく使う言葉です。三口半で飲むの難しいな、と思うかもしれませんが、お点前している人の方が、三口半のお湯の量を入れるの難しいなと思っていると思います。私のお教室でも「柄杓の半分まで入れれば、三口半ですか?」とかお弟子さんに聞かれますが、炉と風炉では柄杓の大きさが違いますので柄杓に入った量ではわかりません。柄杓から茶碗に注がれる湯の量で見極めます。これには、経験が必要です。
三口半で飲む。三口には意味があります。
一口目は(くう)。
二口目は(み)。
三口目は(しん)。
最後の半は、連客の方につなぐ、という意味があります。
一口目は無(空)の状態で飲み、
二口目は茶の味を味わう。
三口目は薬としていただき、身体にいきわたらせます。最後の半は、自分だけではなく、連客様にも分け与えるという意味です。

身体に行き渡らせる薬として抹茶をいただくため、いただく前に茶碗を持って「押しいただく」それから、抹茶を飲むのです。「押しいただく」とは、「物を貰い、それに敬意を表すために目線よりも高い位置に持つこと」とあります。茶室で抹茶をいただく有難さ。大切にしたい心です。
(参考文献)「茶の湯稽古場日誌」黒田宗光著(淡交社)


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