盆蓋点前

　風炉の点前は、水指が大きくなっていきます。それに合わせて水指の蓋も大きくなってきて様々な形のものが使われます。こちらは「盆蓋」です。水指に合わせて作られた蓋がないときに、お盆を伏せて水指の蓋代わりに使用します。我が家の水指は、祖母がヨーロッパ旅行で購入したものです。何を入れるものかわからないのですが、このようなものを水指代わりに使うことを「見立て」と言います。
盆蓋は蓋が水指の中に落ちたりする心配がないため、蓋の上に様々なものを飾ることができます。薄茶器の一つ置きや柄杓と竹の蓋置の２つ飾り。ふくさで金魚や蝉を飾ることもできます。
　
盆蓋の取り方は２種類あります。道具畳の場所や、風炉先屏風があるかどうかなどによって取り方を変えます。　

盆は「丸前角向こう」ですから、丸盆なのでつなぎ目は前に合わせます。
〇右手の親指を下にして、盆の手前を取ります。
〇自分の方に引き寄せて、左手の親指を上にして添えます。
〇右手の親指を上に返して、水指の奥に滑らせて蓋を開けます。

〇右手の親指を上にして盆の手前を取ります。
〇自分の方に引き寄せて、左手の親指を上にして添えます。
〇右手の親指を下に返して、水指の奥に盆を引っ掛けゆっくりと閉めます。

もう一つの盆蓋の開け方です。風炉先屏風がある時にできる開け方です。水次の時にこの開け方をすると、水全体を見ることができて効果的です。
〇右手の親指を下にして、盆の手前を取ります。
〇左手の親指を上にして盆の手前横を取り、風炉先屏風の枠に立てかけます。（風炉先屏風の紙の部分にかけないように気を付けます。）

〇左手の親指を上にして盆の手前横を取ります。
〇右手の親指を下にして、水指の奥に盆を引っ掛けゆっくりと閉めます。