備前焼の良さは、なかなか若いうちには気づきませんが茶道を続けているとふといいかも、と思う時がきます。田んぼの土(ひよせ)で作っているので、粒子が細かくてねっとりとした肌触りです。備前には、いくつかの特徴的な焼き方があるので、記しておこうと思います。
緋襷(ひだすき)
陶器に稲藁を巻いて焼成する方法です。藁が燃えて陶器に焼きついて、赤い襷のような模様になります。
桟切り(さんぎり)
窯変の代表的なものです。窯で焼成することで炭火による鉄分と炭素の化学変化によって、陶器の色が様々な灰色や白に焼き上がります。
胡麻
焼成中、自然にふりかかった木の灰が溶けて釉薬のようにくっついたものです。黄胡麻と言われることが多いです。裏千家の炉開きの時は、「三べ」とよばれるものを使うことがあります。「三べ」とは、三つの「べ」のつく道具で、火防せを表します。なぜ、「べ」が火防せなのかというと「へ」の形は炉にかぶせてしまうと蓋になり炉の火を消せるためと聞きました。昔は、願掛けして炉開きしないと火事が心配だったことと思います。炉開きは慌てずに「柚子の色づく頃までに」開くと言われます。「三べ」は、「織部(おりべ)」「瓢(ふくべ)」「伊部(いんべ)」です。「伊部」とは、昔の備前焼の呼び名です。
また、魚のままかりを入れた壺だったことから、備前焼を「ままかり」と呼ぶこともあります。
|