初風炉の季節は5月初旬です。初風炉には、土風炉が基本です。土風炉とは、素焼きの陶器の上に黒漆で塗り固めた風炉のことです。土風炉が初風炉で使われるのは、風炉の中で一番格が高い真の風炉だからです。
風炉の真・行・草。
真が土風炉。(その中でも眉風炉が真・眉なしが行)
行が唐銅風炉。(その中でも、鳳凰風炉、鬼面風炉が真・朝鮮風炉、琉球風炉が行・前欠風炉が草)
草が鉄風炉・板風炉・陶磁器製土風炉の初炭だけ、炭手前の時に帛紗で風炉を清めます。右手で草にたたんだ帛紗で土風炉の右側の側面を2回円を描いて清め、左手に持ち替えて左側の側面を1回円を描いて清めます。漆で黒光りした風炉に朱の帛紗で円を描く所作が、すがすがしいです。土風炉を清め終わったら、帛紗をたたみ直して、釜の蓋をきります。土風炉に置く釜敷は、荒目板が基本です。荒目板は、彫り目の広い方が前に置く決まりがあります。我が流儀は、初風炉の点前では土風炉につるべの水指が基本です。つるべの水指を使うのは、武野紹鴎が井戸の水をつるべで汲み上げたまま水屋に置いておいたものが始まりと言われ、利休が点前に使ったと伝わっています。清らかな汲み水が初風炉に相応しいとされています。
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