通年 掛軸

急水上打毬子

お弟子さんの茶室にお稽古に行きました。茶会前の全体練習でのお稽古です。

「東」「半東」「水屋」に分かれて稽古。

今回の茶会は、四畳半の茶室。

お客様は八名。

お運びは入れないので「半東」がすべて数茶碗を運んで片付ける。半東が難しい茶会です。

茶室にはこちらの軸が掛けてありました。お弟子さんのお父様は書家です。お父さんの掛軸を用意してくださっていました。

「急水上打毬子」『碧巌録』第八十則

「きゅうすいじょうきゅうすをたす」

急な流れの水の上で毬をつけるのか、という禅問答です。

水の流れの上で毬を打つなんて、大人が考えたら無理なことと思うであろう。しかし、子供ならついてごらんと言ったらとりあえずやってみるだろう。もしかしたら、できるかもしれない。

人は予想とか記憶とかで判断してしまうと、できないと考える。しかし、子供のように無心になり予想とかするのでなく、その場を受け止めて動いてみることが大切だと教えています。

「急水上で毬を打つ」ように、できないではなく、やってみよう!!の気持ちで茶会に挑みましょうと、この軸を用意してくれたのかなと心が温かくなりました。

茶会をする度に、一人ではできないことだと思います。お弟子さんと共に考え、お弟子さんに助けられて、そしてこちらの社中の茶会は温かいと言ってもらえる。

再来週の茶会が楽しみです。

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