茶碗は底を見る、と言われます。陶芸家の方が最後に造るのが高台であり、造り終えて印を入れます。萩焼は特に高台の形が色々であると思います。
一、輪高台
高台の内部を削り取ったものと、貼り付けたものがある。
一、切高台
輪高台の1~4か所をヘラで切り取った形。
一、三日月高台
高台の内部を削り取る際に、均等に削り取るのではなく、薄いところと厚いところを作り高台の厚みで三日月に見えるように削り取ること。
一、割高台
高台の内部を削らずに十文字に切り込みを入れたもの。
一、竹節高台
高台の高さの部分が、竹の節のような形状のもの。
一、碁笥底
高台の立ち上がりを作らずに、内側に削り混んで、底を碁石の入れ物のような形にしたもの。
一、桜高台
高台の外側から切り込みを入れて、高台の内部を削ってから指で押して花弁状に作ったもの。
様々な高台の形がある萩焼ですが、この切り込みはどうしてできたかご存じですか?萩焼は高麗から渡ってきた陶工によって伝わった焼き物です。
高麗では、雑器として大量に作られていた焼き物ですので、何個かを重ねて紐でくくって運ばれました。切り込みは紐でくくるための、引っ掛けのためのものだったのです。その名残が切り込みとして残っているのです。今では、桜高台のようにして鑑賞用となったりしていますが、始まりは実用的なものでありました。
萩焼は、生地の薄いものから厚ぼったいもの、色合いも白い色から濃いピンク色のものまで様々です。少し暑さが落ち着いてきた夏の終わりから真冬そして春先まで長く楽しめる焼き物です。
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